Phase 1: お薬と向き合う — 第5回
連載の進み具合5 / 14
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

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「歯の治療、してもいい?」— 骨のお薬と歯科

「骨の薬を飲んでいると、歯を抜けない」と聞いて不安になった。あるいは、歯医者さんに断られてしまった。そういう方でも、ほとんどの歯科治療はちゃんと受けられます。


骨のお薬を使っている方から、こんな心配の声をよく聞きます。

「先生、歯医者さんで『骨の薬を飲んでるなら、歯は抜けません』って言われてしまって……どうしたらいいんでしょう」

困ったまま、歯の問題を放っておいてしまう方もいます。それがいちばん困るので、先に答えを書いておきます。骨⁠粗⁠鬆⁠症の治療中でも、ほとんどの方は安全に歯科治療を受けられます。

歯科の診察室で、年配の女性がお薬手帳を見せながら、歯科医とにこやかに相談している お薬手帳を見せて一⁠言⁠伝えれば、歯科医と主治医が連携して進められます。

ほとんどの治療はいつも通り

虫歯の治療、歯のクリーニング、歯周病のケア、入れ歯の調整は、これまで通り受けられます。歯科医と主治医の相談がいるのは、抜歯やインプラントなど「骨を直接さわる処置」のときです。その場合も、できないわけではありません。両者が連携して進めます。

抜歯の前にお薬を休む必要も、最新の見解では原則としてないとされています(飲み薬の場合)。くわしい考え方は次の記事にまとめました。

📖 骨⁠粗⁠鬆⁠症と歯科治療 — 安心して歯の治療を受けるために

受付で「骨のお薬を使っています」と伝える

歯科では、受付でお薬手帳を見せて「骨のお薬を使っています」と伝えてください。それだけで、歯科医はそれに合わせた計画を立てられます。面倒に思っても、隠さずに伝えてください。

歯科医と主治医が情報を共有できれば、治療は進めやすくなります。お薬手⁠帳⁠一⁠冊が、その橋渡しになります。

断られても、あきらめないで

もし歯医者さんに断られても、そこで終わりにしないでください。主治医に「歯科で断られた」と伝えれば、歯科医へのお手紙(情報提供書)を書いてもらえることがあります。大学病院や総合病院の口腔外科なら、骨のお薬を使っている方の治療に慣れています。

日頃のていねいな歯みがきと定期検診も続けてください。抜歯が必要になること自体が減れば、将来の心配も小さくなります。

今⁠日できること

今⁠日は、ふたつ。

ひとつ、お薬手帳に「骨のお薬」が書いてあるか確認する。 ひとつ、しばらく行っていなければ、歯科検診を予約する。

ここまでの5回は、お薬で「治す」ステップの話でした。次回からは、もし骨折してしまっても、その先の生活を支えるための話に入ります。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)

歯科治療
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