よくある質問 — 骨粗鬆症についてのQ&A

骨⁠粗⁠鬆⁠症について、患者さんやご家族からよくいただく質問をまとめました。気になる質問をタップすると、答えが開きます。もっと詳しく知りたいときは、答えの中にある関連記事のリンクからどうぞ。

骨⁠粗⁠鬆⁠症の基本

Q. 骨⁠粗⁠鬆⁠症は治りますか?

骨⁠粗⁠鬆⁠症は「完治」するものではありませんが、治療と生活の工夫で骨密度を改善し、骨折を予防することは十分にできます。血圧やコレステロールの管理と同じように、長い目で付き合っていく病気です。→ 骨⁠粗⁠鬆⁠症とは — 静かな病気を知る

Q. 骨⁠粗⁠鬆⁠症と骨密度が低いことは同じですか?

厳密には異なります。「骨密度が低い」ことは骨⁠粗⁠鬆⁠症の重要な指標のひとつですが、骨密度がそれほど低くなくても脆弱性骨折(もろさによる骨折)を経験した方は骨⁠粗⁠鬆⁠症と診断されます。骨密度と骨折歴の両方から判断されます。→ 骨⁠密⁠度⁠検⁠査(DEXA)のすべて

Q. 男性でも骨⁠粗⁠鬆⁠症になりますか?

はい、なります。女性ほど多くはありませんが、男性も加齢とともに骨密度が低下します。特にステロイド薬を長⁠期⁠間⁠使⁠用している方や、喫煙・過度の飲酒がある方はリスクが高まります。

Q. 何歳から気をつければいいですか?

骨密度は20〜30代がピークで、その後は少しずつ低下します。特に女性は閉経後に急激に低下するため、50歳前後から骨⁠密⁠度⁠検⁠査を受けることが推奨されます。家族に骨折歴がある方は、もう少し早くから意識するとよいでしょう。→ 女性ホルモンと骨の深い関係

検査について

Q. 骨⁠密⁠度⁠検⁠査(DEXA検査)は痛いですか?

痛みはまったくありません。台の上に横になるだけで、検査時間は5〜15分程度です。レントゲンの一種ですが、被曝量は胸のレントゲンよりもずっと少ないとされています。→ 骨⁠密⁠度⁠検⁠査(DEXA)のすべて

Q. 骨⁠密⁠度⁠検⁠査はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

治療中の方は、一般的に1年に1回程度が目安です。治療開始直後は6か月ごとに検査することもあります。まだ治療をしていない方でもリスクが気になる場合は、主治医にご相談ください。

Q. 血液検査(骨代謝マーカー)は何がわかるのですか?

骨が壊されるスピード(骨吸収マーカー)と、つくられるスピード(骨形成マーカー)がわかります。お薬が効いているかどうかの確認や、お薬の切⁠り⁠替⁠え時期の判断に使われます。→ 骨代謝マーカーとは

お薬について

Q. 骨⁠粗⁠鬆⁠症の薬を飲めば骨折しませんか?

お薬を使うことで骨折リスクを大きく減らすことが期待できますが、「100%骨折しない」とは言い切れません。お薬と合わせて、転倒予防や食事の工夫にも取り組んでください。

Q. 注射のお薬は痛いですか?

皮下注射(皮膚のすぐ下に打つ注射)ですので、採血と同じくらいか、それより短い時間で終わるのが一般的です。自己注射タイプも、針が細く痛みが少なくなるよう工夫されています。→ 自己注射が怖い方⁠へ

Q. 薬を飲み忘れたらどうすればいいですか?

慌てなくてかまいません。ただ、2回分をまとめて飲むことだけは避けてください。お薬のタイプ(毎⁠日・週1回・月1回など)によって対応が異なりますので、詳しくは主治医か薬剤師にご相談ください。→ 薬の続け方・やめ方・切⁠り⁠替⁠え

Q. 薬を飲まずに、食事と運動だけで十分ですか?

食事と運動は骨の健康の基本です。ただ、骨密度が大きく低下している場合や骨折を経験されている場合は、お薬の治療が推奨されるのが一般的です。食事・運動とお薬は、どちらかを選ぶものではありません。組み合わせることで、より効果が期待できます。

Q. サプリメントでお薬の代わりになりますか?

カルシウムやビタミンDのサプリメントは骨の健康を支えますが、お薬と一緒に使うもので、骨⁠粗⁠鬆⁠症の治療薬の代わりにはなりません。

Q. 歯科治療を受けても大丈夫ですか?

歯科治療自体は問題ありません。ただし、骨⁠粗⁠鬆⁠症のお薬(ビスフォスフォネートやデノスマブ)を使用中であることを必ず歯科医に伝えてください。2023年の学会見解では、抜歯の際にお薬を休む必要は原則としてないとされています。

Q. 骨⁠粗⁠鬆⁠症のお薬を複数同時に飲んでも大丈夫ですか?

骨⁠粗⁠鬆⁠症のお薬にはそれぞれ異なる仕組みがあり、組み合わせに注意が必要なものがあります。特に気をつけたいのは次の3つです。

  1. 「つくるお薬」と「まもるお薬」の同時使用:骨を「つくる」お薬(テリパラチド、イベニティなど)を使っているときにビスフォスフォネート(フォサマック等)を同時に飲むと、骨をつくる効果が弱まる可能性があります。通常は「まずつくる→次にまもる」と順番に使います。
  2. 同じ種類のお薬の重複:ビスフォスフォネート同士(フォサマック+ボノテオなど)やSERM同士(エビスタ+ビビアントなど)を同時に使うことは、効果が重ならず副作用のリスクだけが増えるため推奨されていません。
  3. 活性型ビタミンD製剤との組み合わせ:エディロール等の活性型ビタミンD製剤は、テリパラチドやカルシウム製剤と一緒に使うと血中カルシウムが高くなることがあるため、定期的に血液検査で確かめます。

主治医はこれらの組み合わせを考慮してお薬を処方しています。自己判断でお薬を追加したり変更したりせず、必ず主治医にご相談ください。→ 治療の全体像

Q. テリパラチドとビスフォスフォネートを一緒に使えますか?

一般的には、同時ではなく順番に使うことが推奨されています。テリパラチドは骨を「つくる」お薬ですが、ビスフォスフォネートが骨の代謝を抑えるため、一緒に使うとテリパラチドの効果が十分に発揮されないことがあります。多くの場合、テリパラチドのコースが終わってから、ビスフォスフォネートやデノスマブに切⁠り⁠替⁠えて骨を「まもる」治療に移ります。→ テリパラチド・アバロパラチドについて

Q. 活性型ビタミンDとカルシウムのサプリを一緒に飲んでいますが大丈夫ですか?

活性型ビタミンD製剤(エディロール、アルファロール等)はカルシウムの吸収を高める作用があるため、カルシウム製剤と併用する場合は高カルシウム血症に注意が必要です。特にテリパラチドなどのPTH製剤も同時に使っている場合は、3つの薬が重なってカルシウムが上がりやすくなります。主治医に定期的な血液検査でカルシウムの値を確認してもらってください。→ 薬と食事の大切なルール

食事と運動

Q. 牛乳を飲めばカルシウムは十分ですか?

牛乳はカルシウムの良い供給源ですが、それだけでは1日に必要な量(700〜800mg)を満たすのは難しい場合があります。小魚、豆腐、青菜なども組み合わせましょう。→ 骨を強くする食事

Q. 運動すると逆に骨折しませんか?

適度な運動は骨を強くし、転倒予防にも役立ちます。ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で行えば問題ありません。ただし、骨折直後や骨密度が大きく低下している方は、主治医やリハビリスタッフに相談してから始めてください。→ 骨を強くする運動

Q. 納豆が骨に良いと聞きましたが、本当ですか?

納豆に豊富に含まれるビタミンK2は、骨を強くするのに役立つ栄養素です。ただし、ワルファリン(血液をサラサラにするお薬)を服用中の方は、納豆を控える必要があります。→ 納豆パワー

Q. ビタミンDはどうやって摂ればいいですか?

日光を浴びることで体内でつくられるほか、魚(鮭、さんま、しらす)やきのこ類からも摂れます。日本人の多くはビタミンD不足とされていますので、主治医からサプリメントが処方されることもあります。→ ビタミンDと太陽

骨折について

Q. 背骨の骨折は気づかないこともあるのですか?

はい、椎体骨折(背骨の圧迫骨折)の多くは痛みが軽いか、まったく気づかないうちに起きていることがあります。「いつの間にか骨折」とも呼ばれます。身長が2⁠c⁠m⁠以⁠上⁠低くなった、背中が丸くなってきた場合は、一⁠度⁠主⁠治⁠医に相談してみてください。→ 壁立ちテスト

Q. 一⁠度⁠骨⁠折すると、また骨折しやすくなりますか?

はい、残念ながらそうです。背骨の骨折が1つあると、次の骨折リスクは約5倍に高まるとされています。「骨折の連鎖(ドミノ骨折)」と呼ばれる現象です。最初の骨折をきっかけに、検査と治療を始めてください。→ 「骨折の連鎖」を止める

Q. 骨折したら手術が必要ですか?

背骨の骨折の多くは、手術をせずに保存療法(コルセット、痛みの管理、リハビリ)で回復が期待できます。手術が検討されるのは、痛みが長引く場合や神経症状が出ている場合などです。→ 骨折したらどんな治療があるの?

生活全般

Q. 骨⁠粗⁠鬆⁠症で仕事は続けられますか?

多くの場合、問題なく仕事を続けられます。骨折後のリハビリ期間は仕事量の調整が必要な場合がありますが、治療を続けながら通常の生活を送っている方がほとんどです。

Q. 旅行に行っても大丈夫ですか?

お薬を忘れずに持っていけば、旅行は問題ありません。注射薬を持参する場合は、保管方⁠法(冷蔵保管が必要なものもあります)を主治医に確認しておきましょう。

Q. 家族にできることはありますか?

転倒しにくい住まいづくり(段差の解消、手すりの設置、照明の改善)、食事の工夫、通院や注射の手伝いなど、ご家族にお願いできることはたくさんあります。→ ご家族にできること


ここに載っていない質問がありましたら、主治医にお気軽にご相談ください。「こんなこと聞いていいのかな」と思うような質問でも、遠慮はいりません。

本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。骨の健康について気になることがあれば、主治医にご相談ください。

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医療監修:加藤裕幸(整形外科医・日本整形外科学会専門医)東海大学医学部付属病院/湘陽かしわ台病院